[事例]大衆メディアと思想構築の今 ~Twitterは政治の二極分化を進めているか~
(Co.Design 2011/07/28の記事より)
インディアナ大学の科学者達は、45,000人のユーザーによる、政治関連のハッシュタグを含む250,000回分のつぶやきを分析を実施。
以下に「リツイート(retweet)分析」「@言及(@mention)分析」を紹介します。
■リツイート分析
アルゴリズムを組み、ユーザーをそれぞれ右(共和党: Republican Party)寄りか、左(民主党: Democratic Party)寄りかにカテゴリ分けしました。
そして、それぞれの党派(左なり右)を支持するような意見を誰がRe-Tweet(リツイート)していったかを可視化したのが以下の図です。
結果、赤いクラスター(かたまり)は93%の右寄りのユーザーによって構成され、
一方で、青いクラスターは80%の左寄りのユーザーで構成されました。
つまり、それぞれ赤(右)には7%の青(左)のリツイートが含まれ、
青(左)には20%の赤(右)のリツイートが含まれているわけです。
ここから、左派寄りのユーザーの方が、右派寄りのユーザーよりも、相手の発言を傾聴していることが伺えると言えます。
しかしながら、どのようなツイートをリツイートしているかは反映されていないため(馬鹿にするようなものなのか、情報を述べたものにすぎないのか、ほめているのか等)、この傾向からすぐに何かを(望ましいと)評価するのは難しいといえます。
■@言及の分析
一方で、Twitterには@(アットマーク)によって他ユーザーに言及しながら引用する方法があります。
この「@」による言及の連鎖に注目すると、リツイートと違った傾向が現れます。
上の図は、このような@言及の連鎖を可視化した図です。
右派寄りのユーザーの方が、@言及行動を盛んに行っているのがわかります。
しかしながら、元記事にもあるように、例えば、@BarackObama
が言及されていることはデータに反映されていたとしても、どのような発言と共につぶやかれているかは反映されていないため、図の意味するところは慎重に捉えなければなりません。
■メディアとしてのTwitterと政治思想の構築
その上で、Co.Design編集者のCliff氏は、
「Twitterのようなツールは、対話をより豊かに(活発に)し、政治システムをより好ましい方向に進めてくれたのか、それとも二極化を進めてしまったのか」に関する質問にはまだ答えが出ていないと言います。
Cliff氏はメディアの変化をこう捉えます。
「TVや新聞のような国家単位のメディアが席巻していた頃は、我々は同じ講義を受けているかのように、均一化された情報を享受していました。その頃は、責任ある、政治的に中立な表現が要求される大人によって、情報が届けられていました。」
つまり、中立な(表現が求められる)メディアを皆が享受し、その上で、多様な思想が築かれていたといえます。
一方、現在「それらの大人を無視し、自分の好むサブグループに分かれることが可能」になりました。「自分の共感する人々の声だけを聞く」ことが簡単になってしまったことは、上の図も示していると言えます。
*[引用元]
Co.Design -Infographic Of The Day: Does Twitter Make Our Politics More Partisan?
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