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2011/11/14

話題の動的インフォグラフィック三選 - 地図が動けば何がみえるか?

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つい最近、旅行代理店であるThomsonが発表した、ウェスタン・ダンスミュージック約200年の歴史の動的なインフォグラフィックが話題になった

The Evolution of Western Dance Music - ウェスタン・ダンスミュージックの歴史



この図には、デフォルメした世界地図上に、音楽ジャンルが派生する様子が描かれている。単に色分けして描かれるだけでなく、画面上の年代表示とともに1800年から2000年頃にかけての約200年の歴史を可視化している。

こういった図はインフォグラフィックと呼ばれ、以前紹介したように、データ資料に効果的なデザインを付加し伝わりやすい工夫が凝らされたものだ。今回の動的なインフォグラフィックの特徴であり強みは、「何が」「どこで」「いつ起きたか」という情報を、時間とともに変化するグラフであらわすことで、たった一つのウィンドウで表現しているという点だ。

こういった、時間軸を操作できる秀逸な二次元のグラフをもう二つ紹介したい。Maps of WarGapminderだ。

Maps of War - 戦争の地図

Maps of Warは、フラッシュデザイナーと歴史学者によって作られたコンテンツで、地図上に戦争や、宗教民主主義等の歴史を可視化している。



▶Gapminder

Gapminderはスウェーデンのベンチャー企業で、動的な統計をウェブ上で提供している。


Gapminderが提供しているのは、UNの統計等をもとに集められた、動的な統計だ。人口やGDP、CO2排出量、平均寿命の他、教育や環境、労働に関する様々な数値、指数を扱っており、これらをX軸、Y軸に自由に割り振る事で何通りものデータの比較が可能になる。

X軸、Y軸にデータを割り振り、統計図に描く事にはどこにも新しいものはないが、このGapminderのすごいところは、再生ボタンやスクロールバーにより、時間軸の操作も可能にした点だ。実際に操作して、その感覚を味わってもらいたい。

▶さいごに

こういったグラフは、現実を数値に落とし込んでいるため、時に質的なリアリティを多く捨象してしまう危険がある。ただ、歴史のダイナミズムや、 問題意識の所在を「誰かに伝えたい」時、こういったグラフはコミュニケーションの助けとなってくれるに違いない。

【リンク】
GAPMINDER
Maps of War
The Evolution of Western Dance Music
200年の流れで見るダンスミュージックのジャンル派生マップ : The Evolution of Western Dance Music - 音楽方丈記

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